ドン(仮名)「次はみんなでバレンタインデーに会おうよ。」
チン(仮名)「いいね、みんなで世界にひとつだけのチョコバットを作り合おう。」
前回のオーシャンズでそんな感じの話により、バレンタインデー直前の週末に集合となった俺達。
表社会で忙しく、この日も半日仕事だった俺が第二オーシャンズパーク(仮名)に到着したのは18時を過ぎた頃だった。
幸い本気で自分だけのチョコバットを作っている奴は1人もいなかったが、様々な事情によって集まることができたメンバーは、俺を含めて過去最少の7人だけだった。
しかし7人と言えどオーシャンズはオーシャンズ。
痺れるような寒さの中、俺達は2017年最初の集合を祝って乾杯をした。
今年も過酷な訓練が待ち受けているだろうが、このメンバーとなら乗り越えられると信じている。
そして乾杯が終わると、早速ジョージ(仮名)から料理が回ってきたんだ。
生のピーマンの上に肉らしき塊が挟まれている一品で、見た目は少し怪しいが味は最高に美味しかったよ。
そこからはいつもの通りに全員が作った料理を全員で回し食いをした。
オーシャンズのシェフ担当と言っても過言ではないケイシー(仮名)は、アスパラやコンビーフを餃子の皮で巻いて揚げるというアイデア料理で俺の口内を何度も何度も絶頂させてくれた。
俺が作ったのは最近ハマっている『豚のあふれる肉汁にXO醤と葱油が香るザ★シュウマイ』。
食べたことあるかい?
個人的にはへたなチルド焼売を食べるよりよっぽど美味しいと感じる最近のお気に入りなんだ。
余談なんだが、近所のスーパーで冷凍商品半額、もしくは40%引きの日に、たまにこのザ★シュウマイが割引対象商品になっている時があってな。
もちろんその時は無表情で冷静を装いながらザ★シュウマイを手に取るんだが、心の中では間違いなくその日一番のガッツポーズをしている。
いや、ガッツポーズどころか心の中でカズダンスまで踊ってしまいそうになるくらいさ。
つまり何が言いたいのかというと、要はそのくらい俺はこのザ★シュウマイが好きってことさ。
そんなシュウマイを網バットを使用して初めてメスティン蒸しをしたんだが、電子レンジと変わらない美味しさに仕上がってホッとしたよ。
その他にもマット(仮名)のカレー鍋など数多くの料理を回し食いし、気づけば腹もパンパンさ。
そして俺達は語り合った。
本来なら墓まで持っていくほどの内容の話でさえ、ここではすべて打ち明け合ったんだ。
そんな仲間達に俺からささやかなバレンタインチョコを配った。
もちろん1人一粒づつさ。
誰が何のチョコを食べたかは見てないが、マット(仮名)はちゃんと泡盛チョコを食べれただろうか。
そしてやはりオーシャンズに訓練は欠かせないので、バレンタインデーらしく甘い訓練を用意したんだ。
ぺヤングやきそば ギリチョコレート味を完食せよ。
一見簡単そうに思えるが、これを食べたことがある人には難易度が高いことが分かるはずだ。
ケイシー(仮名)はこの味を知っていたようだが、彼以外のメンバーはこの衝撃の味に驚き、そしてむせていたよ(笑)
さらに甘さを紛らわせる為に加えた一味唐辛子、醤油、ゴマドレッシングが訓練をより過酷にしてしまい、それを食べたドン(仮名)は本気で嘔吐する一歩手前となりドクターストップ状態となった。
結局食べ切ることはできず、2017年最初の訓練は失敗で終わってしまったよ。
しかし俺達は全力で立ち向かったし、この経験はいつか必ずキャンプの役に立つと俺達は信じている。
甘く苦しい訓練を終えると、ケイシー(仮名)がジンライムを作ってくれた。
パンチのある味わいで最高に美味かったよ。
ありがとう。
甘いものを食べると、辛いものが食べたくなるのも人間の本能だろう。
口直しに全員で蒙古タンメン中本カップラーメンを回し食いにした。
さっきのギリチョコレート味とは違い、みんなの顔は幸せそのものだったよ。
俺はこのカップラーメンが大好きなんだが、期間限定でさらに辛い北極ラーメンが発売されていたのを知ってるかい?
自他共に認める辛党の俺は飛びついてその北極ラーメンを購入したんだが、あまりの辛さで食べた瞬間に吐きだした事があるのはここだけの秘密さ(笑)
その後、俺達は気が済むまでとことん語り合ったが、最後はチョコバット(仮名)の話で持ちきりになった。
内容には絶対に触れられないが、俺達に訴えかけるように熱く語っていたチョコバットの顔が忘れられないぜ(笑)
そんな積もる話を聞きながら、オーシャンズのバレンタインな夜は過ぎていった。
翌朝、寝起きでトイレに向かう途中で、永野のモノマネをしているジョージ(仮名)に遭遇して1日がスタートした。
トイレへ早く行きたい俺の前に立ちはだかり、若干ニヤケながら何回も髪をかき上げ続けるジョージ(仮名)。
本人はまんざらではないのかも知れないが、少しはやられる方の身にもなってほしいもんさ。
もし腰に銅の剣があったのなら、間違いなく会心の一撃でドラキーを斬るかのごとく真っ二つにしていただろう。
この日は朝から風がとても強かったが、心地の良い日差しには恵まれた中で、俺達は各自朝食を摂っていった。
俺の朝食はスパム丼。
どうだい?手軽だけど味は間違いないだろう?
もちろん最高に美味かったさ。
その後、時間に余裕があった俺達は空のガス缶を転がしたりして楽しんだ。
こいつを見てくれ。
広々とした芝生を走るチンと、それを微笑ましく眺めるジョージの一枚だ。
一見するとナイスな一枚に見えるが、実際は遠くへ転がし過ぎたガス缶を必死で追いかけてるアフォな一枚なんだ(笑)
そう考えると笑えてくるが、でもこれがオーシャンズ。
こんなメンバーだからこそ、オーシャンズもここまで続いてるんだろう。
心の底から笑い合える。
シンプルだけどとても大事なことさ。
こうして2017年も始動したオーシャンズ。
次回の訓練は〇月〇日…、場所は同じく第二オーシャンズパークだ。
今年は新たな訓練を導入するという声も上がっているが果たしてどうなることか。
まぁ、何をするにしてもオーシャンズらしく。
それが1番さ。
完。
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