そんな彼へ、私はナリタヤにて2割引きで購入したブリの刺身で労います。
すると髭茶髪さんがお礼にサンマを焼いてくれました。
しかし焼いてる途中で皮が剥がれてしまい、親父狩りに遭ったサンマになってしまいました。
お次はもちろんこれ。
もはやこれがなければ髭系ねぶりラーメンは作れないと言っても過言ではありません。
周囲の写真はありませんが、この日もしっかりとしたねぶりラインが確立されています。
焼く→ねぶる→鍋に放り込む。
この一連の流れを可能な限りコンパクトにした動線、通称『ねぶりライン』によって生成された大量のねぶり骨を、、
惜しげなく、そして迷いなく鶏ガラスープへと投入していきます。
これで豚骨スープと鶏ガラスープのWスープに、我々のねぶり骨を加えた奇跡のトリプルスープへの準備は整いました。
一息ついた髭茶髪さんは、全三話にも又がる壮大な最低話を全身を使って話してくれました。
ここに詳しく書く訳にはいきませんが、「今、東金が熱いっ!」とだけ伝えておきましょう。
しかしそんな時でも、今日の髭茶髪さんに気の緩みは一切ありません。
一定時間おきにスープを確認し、その都度カエシと合わせて味見もしながら出来栄えを確認していきます。
喋りに夢中になって煮込んでいた豚骨スープを焦がしてしまった前回の大失敗を繰り返すことはもう許されないのです。
全神経を研ぎ澄ませ、常に豚骨スープと向き合い続ける髭茶髪さん。
すぐ後ろでは、ここで起こっている事を何も知らない子供達がシャボン玉を吹いてファミリーキャンプを満喫しています。
しかしその甲斐もあり、豚骨スープは順調に乳化されているようです♪
前回と比べると、やはり背脂が目立っているというところでしょうか。
そして直系の家系には絶対に欠かすことのできない鶏油も作り始めます。
今回は従来の焼きからではなく、より本場に近づける為に茹でから取るそうです。
こうして、着々とラーメン作りに励む髭茶髪さん。
その表情からは、だいぶラーメン作りへの自信を取り戻してきたようにも思えます。
しかし私は、そんな髭茶髪さんの訓練にさらなる刺激と緊張感を与える為、こっそり対戦相手を連れてきていたのです。
もちろん相手は強敵ですが、この味勝負に勝つことで初めて髭茶髪さんの自信が確信に変わると思ったからです。
その対戦相手とは、、、
家系総本山吉村家。
…のレトルトラーメンです。
吉村家といえば言わずと知れた家系の生みの親であり、我々が愛し通い続ける杉田家千葉支店、千葉家、末広家の開祖とも呼べる存在です。
もちろんレトルトなので味は本場の足元にも及ばないとは思いますが、対戦相手としてこれほど名誉なことはないでしょう。
公平なジャッジを保つため、具材は私が用意したものを両ラーメンで使用する事にします。
家系お約束であるチャーシュー、青菜、海苔3枚に、自宅で2日間かけて作ったkamome自慢の味玉です。
突如現れた神とも呼べる存在の登場に驚きを隠せない様子の髭茶髪さんでしたが、徐々にこの高い壁に立ち向かう闘志を燃やし始めていきました。
どうやら私が見たかった髭茶髪さんの姿が戻ってきたようです。
今、彼の中で心のゴングが鳴り響きました。
その後、スイッチの入った髭茶髪さんのラーメン作りは日が暮れても終わることはありませんでした。
周囲のファミリーキャンパー達が綺麗な夕焼けや広大な牧場の景色を楽しむ中、髭茶髪さんはいつまでも豚骨スープを見つめ続けていました。
そんなラーメン作りの合間には、何か髭系ねぶりラーメンのヒントになるものがないかと、吉村家ドキュメント番組をYouTubeで鑑賞します。
その動画の中で見せる吉村実氏の麺上げに目を奪われる我々。
直系伝統である平ザルを手に持ち、全身を使ってキレのある麺上げをする姿に心を打たれたのです。
早速、私の目の前で麺上げの練習を始める髭茶髪さん。
キレのある動きで激しく上半身を揺らしてはいますが、そもそも彼が持っているのはオタマです。
そんな時間を過ごしているうちについに、、、
長時間の煮込みを終えた髭系ねぶりスープが完成しました!
背脂が入った影響なのか、前回よりもより濃厚な感じがします。
しかし今回は途中で何回も味見もしてきているので、前回のような大失敗はありえない出来栄えに仕上がっている事でしょう♪
髭系ねぶりスープが完成したところで試合開始です。
まずは先行の吉村家レトルトラーメンから実食することにしました。
ドンブリも4つ用意しています。
それぞれに吉村家レトルトラーメンと髭系ねぶりラーメンを入れて食べ比べをします。
しかしそんな時…
そんな最高なタイミングの時に、見覚えのある1人の男が突然我々のサイトにやって来ました。
地元の友人がここでキャンプをしており、私用を済ませた夕方以降に合流したばかりとの事。
そしてトイレへ行く途中、たまたま私の車のナンバーが目に入って気づいたそうです。
…なんという偶然。
これも何かの縁なので、シェイクさんも一緒に食べてもらう事にします(笑)
練習だったはずがまさかの本番。
髭系ねぶりラーメンの記念すべきお客さん第一号はシェイクさんでした。
そして、改めて試合再開です。
上の写真の左側が髭系ねぶりラーメンのカエシで、右側が吉村家レトルトのカエシ。
家系の味を目指しているはずの髭系ですが、この時点で本家とはかなりの違いが分かります。
そしてまずは先行の、、
吉村家レトルトラーメンの完成です!
熱いうちに早速、三人同時に頂くことにしましょう。
うんうん、普通に旨い♪
麺も本家同様の太いストレートタイプですが、もちろん酒井製麺ではなくレトルト会社オリジナルなものですね。
ただやはりレトルトクオリティと言いましょうか、正直な感想で言わせてもらえば本物の味とは遠くかけ離れた味です。
もちろんレトルトとしては十分に高いレベルであり、シェイクさんも「これうめぇ!」と言いながら食べていたので美味しいには間違いないのでしょうが、ただやはり本物と比べることは到底できない味なのは仕方がないことです。
しかし髭系ねぶりラーメンの相手としては十分すぎるほどの強敵には違いありません。
果たして髭系ねぶりラーメンは、この高い壁を超えることができるのでしょうか。
続いて後攻の髭系ねぶりラーメンの番です。
先程YouTubeで覚えたての麺上げをキレのある動きで繰り出す髭茶髪さん。
さっき作っていた吉村家レトルトラーメンとは気迫がまるで違います。
そして髭系スープに湯切りした麺を入れ、手際よくチャーシュー、青菜、海苔三枚の家系黄金トッピングを乗せたらついに、、、
新 髭系ねぶりラーメンの完成です!!!
前回よりも色合いは若干薄くなっているようですが、その表面にはしっかりと鶏油が広がっており綺麗な金色(こんじき)の輝きを放っています。
さらに漂ってくる匂いからは、見事に乳化されたであろう豚骨臭を感じることができ、前回のような焦げた予感は一切感じさせない心地の良い香りに仕上がっているようです。
これは嫌でも期待せずにはいられません。
果たしてこの一杯は吉村家レトルトの高い壁を超えてくるのでしょうか。
それでは頂くとしましょう。
リベンジに燃えた髭茶髪さんの渾身作、新 髭系ねぶりラーメン、、、
いっただっきま~す♪
…やべぇ、、、
マジかよこのラーメン、、、
やっぱりクソまじいぃぃぃっっ!!!www
とにかく油っぽいんです!!!
油油油!!!
スープに1cmくらいの油の層がコーティングされており、ただ油を飲んでいるとしか思えないのです!!
これは家系ではなくガラコ系と言った方が近い気がします。
もはやこれは食べ物ではなくカー用品です!
髭茶髪さんはラーメンではなく、カー用品を作ってしまったようです。
人体に多大な悪影響を及ぼすことが容易に想像できるほどの危険を感じるラーメンでした。
原因はきっと背脂の入れ過ぎか、鶏油の入れ過ぎでしょう。
本人から話を聞くと、ガラスープを豚骨スープを合わせる時、溜まっていた鶏油もすべて同じ鍋に入れてしまったようです。
きっと敗因はそこにあるに違いありません。
しかし飛び入り参加だったこともあり、不味いと言えないシェイクさんはとにかく食べ続けました。
酒の力をかり、このカー用品を一気に口内へと流し込んでいきます。
そして食べ終わったシェイクさんのどんぶりを覗くと、スープの半分以上がスープではなく分離した油でした…(震え声)
それでも目の前に座る髭茶髪さんを悲しませまいと、さらに食べようとする優しいシェイクさん。
確かに髭茶髪さんのショックも計り知れないものがあると思います。
しかし、このまま食べ続けると本当に命の危険があると判断したので「シェイクさん、クソまずいからもう食べなくていいよ」と髭茶髪さんにギリギリ聞こえる声でこっそり伝えました。
…という訳で、またしても衝撃の結末を迎えることになってしまったラーメン対決。
この勝負!
吉村家レトルトラーメンの圧勝です!!!
残念ながら髭系ねぶりラーメンのリベンジは成りませんでした。
その後、口数が一気に減った髭茶髪さんはゆっくりと席を立ち、、、
静かに車の中へと消えていきました。
翌朝。
置きっぱなしの新髭系ねぶりラーメンを見ただけで寒気がします。
もはや完全に汚物です。
私はこのラーメンを『汚物ラーメンはせがわ』と心の中で呼ぶことにしました。
それと同時に、こんな汚物をたくさん食べてしまったシェイクさんの安否がとても気になりました(笑)
でも何とか大丈夫なようで安心しました♪
しかしすでにシェイクさんは髭系ねぶりラーメンを共に食べた戦友であり、ここで偶然会えたのも運命。
このまま逃がす訳にはいきません。
この先、最高の髭系ねぶりラーメンを一緒に追及してくれる頼もしき仲間として本人の快諾の元、正式にねぶり会への入会が決定しました。